知らない人多い!ダイエット中に筋トレが必要な1番の理由
西永福駅、永福町駅から徒歩数分の位置にあるパーソナルトレーニング専門ジム、大和パーソナルジムを運営しております代表の大和と申します。
「ダイエットと言えば筋トレ」と、連想する人が多くなってきた今日この頃ですが、ダイエット中になぜ筋トレが必要なのか、その本当の理由を理解している人は極わずかだと思われます。
本記事では、皆さんが以外と理解出来ていない、ダイエット中に筋トレが必要な1番の理由を解説します。
「エネルギーを消費して体脂肪の燃焼を促進させる為でしょ!」と考えてしまった人は、ダイエットを始める前に本記事をお読みいただく事を強くおすすめします。
食事制限だけでダイエットを行うと、リバウンドを起こしやすい理由についても同時に理解して、せっかくの努力が無断にならない様にしていきましょう。
動画でも詳しく解説しておりますので、記事と合わせてご覧下さい。
目次
1.ダイエット中に筋トレが必要な1番の理由
2.ダイエットは筋肉と体脂肪の両方を減らす行為
3.筋トレがなぜ筋肉を残すのか
4.有酸素運動と筋トレどちらが良いか
5.終わりに
1.ダイエット中に筋トレが必要な1番の理由
ダイエット中に筋トレが必要な1番の理由は、「筋肉をより多く”残す事”が出来る為」です。
運動後にカラダが消費する酸素の量が増える事によって、代謝量が増える現象(EPOC効果:Excess Post-exercise Oxygen Consumption 運動後過剰酸素消費量)が起こり、結果的に体脂肪の減少を促進させるから、ダイエット中には筋トレが必要だと思っている人が殆どではないでしょうか。
筆者の私は8年以上パーソナルトレーニングジムを運営しておりますが、ダイエット中に筋トレが必要な理由として、「筋肉をつける為」や「エネルギーを燃焼させる為」と思い込んでいる人が殆どで、逆に「筋肉を残す為の筋トレなんだな!」と、初めから認識出来ている人には出会ったことがありません。
なぜ、筋肉をより多く残す事が出来るから筋トレが必要なのか、少しだけ掘り下げて解説します。
2.ダイエットは筋肉と体脂肪の両方を減らす行為
残念ながら、ダイエット中は体脂肪だけでなく、筋肉も減少しようとしてしまいます。
理由は単純明快で、筋肉も脂肪組織もカラダからすると必要な組織であり、ダイエット中のエネルギーが不足している状態(消費>摂取カロリー)では、いずれの組織も多過ぎてはエネルギーを消費してしまう為、生命維持が最優先のカラダとしては減らさざるを得ないのです。
強調しておきますが、ダイエット中のカラダの中では、筋肉と体脂肪の両方が減少しようとしている事を覚えておきましょう。
3.筋トレがなぜ筋肉を残すのか
ダイエット中(=カロリー制限状態)において、筋トレが筋肉の分解を抑制する事が研究からもわかっています。
筋肉の分解の主な引き金となるのが「エネルギー不足、ホルモンの影響、使われない事」の3つで、ダイエット中はこの中でも「エネルギー不足と使われない事」の2つの引き金が引かれやすくなります。
では、筋トレがどのようにしてこれらの引き金に対抗するのでしょうか。
筋トレで筋肉に強い負荷がかかると、筋繊維にはわずかな損傷が生じます。
この物理的な刺激(メカニカルストレス)が引き金となり、筋肉細胞の内部では、「mTOR(エムトール)」と呼ばれるタンパク質複合体が活性化されます。
mTORは、筋タンパク質の合成を促す「スイッチ」のような役割を担っており、これがONになることで、筋肉の材料となるアミノ酸が効率的に利用され、新しい筋タンパク質が作られます。
さらに、筋トレを行うと、成長ホルモンやテストステロンといった筋肉の成長に関わるホルモンの分泌も促進されます。
これらのホルモンは、脂肪の分解を助けつつ、筋肉の分解を防ぐ働きがあるため、カロリー制限中のカラダを強力にサポートしてくれるのです。
つまり、筋トレは「筋肉を使い続ける」という明確なシグナルを細胞に送り続けることで、身体が筋肉を分解しようとするのを食い止めます。
これが、ダイエット中に筋肉を残すための最も効果的な方法なのです。
参考文献
- Sardeli AV, Komatsu TR, Mori MA, Gáspari AF, Chacon-Mikahil MPT. Resistance Training Prevents Muscle Loss Induced by Caloric Restriction in Obese Elderly Individuals: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2018 Mar 29;10(4):423. doi: 10.3390/nu10040423. PMID: 29596307; PMCID: PMC5946208.
- このメタアナリシスでは、高齢肥満者を対象に、カロリー制限のみの群と、カロリー制限に筋トレを加えた群を比較しています。結果として、筋トレを加えた群では、カロリー制限による除脂肪体重(Lean Body Mass: LBM)の減少が93.5%抑制されたと結論付けられています。これは、筋トレがアンダーカロリー下での筋肉量維持に非常に効果的であることを示唆しています。
- Murphy C, Koehler K. Energy deficiency impairs resistance training gains in lean mass but not strength: A meta-analysis and meta-regression. Scand J Med Sci Sports. 2022 Jan;32(1):125-137. doi: 10.1111/sms.14075. Epub 2021 Oct 13. PMID: 34623696.
- この研究では、アンダーカロリー下での筋トレが除脂肪体重の増加を妨げる可能性があるものの、筋力の向上は妨げないことを示しています。つまり、筋肉を大きくする「増量」には向かないものの、減量期に「筋肉の減少を抑える」効果は期待できる、というニュアンスです。また、1日あたり約500kcalを超える大幅なカロリー制限は、除脂肪体重の増加を妨げる可能性があると指摘しています。
- Longland TM, Oikawa SY, Mitchell CJ, Devries MC, Phillips SM. Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss: a randomized trial. Am J Clin Nutr. 2016 Mar;103(3):738-46. doi: 10.3945/ajcn.115.119339. Epub 2016 Jan 27. PMID: 26817506.
- この研究は、アンダーカロリー下で高タンパク質食と筋トレを組み合わせることで、筋肉量の維持に加えて体脂肪の減少が促進されることを示しています。高タンパク質摂取は、筋タンパク質合成の刺激と、筋タンパク質分解の抑制の両方に寄与するため、アンダーカロリー下での筋肉維持において非常に重要です。
4.有酸素運動と筋トレどちらが良いか
ダイエット中に、筋肉の分解を抑制するという観点で申しますと、「筋トレ」の方が良いという事になります。
その理由は、筋トレが筋肉に「微細な損傷」を与えることで、筋肉の維持・合成を促すシグナルを活性化させるためです。
ウォーキングやジョギングといった有酸素運動は、脂肪燃焼には効果的ですが、筋繊維に損傷を与える程の強い負荷はかかりません。
そのため、カロリー制限中に有酸素運動だけを行うと、筋肉の分解を十分に食い止めることが難しくなってしまうのです。
さらに、ホルモンの分泌においても、筋トレが優位です。
筋トレは、有酸素運動に比べて、成長ホルモンやテストステロンといった筋肉の合成を促すホルモンを大量に分泌させます。
一方、長時間の有酸素運動は、コルチゾールという筋肉を分解する作用のあるストレスホルモンを増やしてしまう可能性があります。
したがって、筋肉を「残す」ことを目的とするなら、有酸素運動よりも筋トレが効果的です。
参考文献
- Beavers KM, Ambrosius WT, Rejeski WJ, Burdette JH, Walkup MP, Sheedy JL, Nesbit BA, Gaukstern JE, Nicklas BJ, Marsh AP. Effect of Exercise Type During Intentional Weight Loss on Body Composition in Older Adults with Obesity. Obesity (Silver Spring). 2017 Nov;25(11):1823-1829. doi: 10.1002/oby.21977. PMID: 29086504; PMCID: PMC5678994.
肥満の高齢者を対象に、減量方法が体組成と身体機能に与える影響を18カ月間にわたり調査した研究です。249人を3つのグループ(食事制限のみ、食事制限+有酸素運動、食事制限+筋力トレーニング)に分けました。
結果として、運動を併用したグループは食事制限のみのグループよりも、体重と体脂肪の減少量が大幅に多いことが分かりました。特に筋力トレーニングを併用したグループは、有酸素運動グループよりも筋肉量の減少が少なく、最も理想的な体組成変化を示しました。
このことから、高齢者の減量では、脂肪を減らし、筋肉を維持するために筋力トレーニングを併用することが効果的であると結論づけています。
- Hunter, G. R., Wetzstein, C. J., Fields, D. A., Brown, A., & Bamman, M. M. (2000). Resistance training increases total energy expenditure and free-living physical activity in older adults. Journal of Applied Physiology.
この研究は、筋力トレーニングがシニアのエネルギー消費と身体活動にどう影響するかを、26週間にわたり調査しました。
その結果、筋力トレーニングによって、安静時のエネルギー消費と日常生活での総エネルギー消費が増加し、普段の身体活動量も向上しました。
さらに、この研究で特に重要な発見は、安静時の呼吸商(RER)が低下したことです。呼吸商とは、体がエネルギー源として脂肪と糖質のどちらをより多く使っているかを示す値で、0.7に近づくほど脂肪燃焼率が高まります。被験者の呼吸商は、トレーニングによって0.86から0.83へと有意に低下しました。
これは単なる一時的な反応ではありません。最後のトレーニングから4日後という、代謝が落ち着いたはずの時点でもこの低い値が維持されていたのです。この結果は、筋力トレーニングが脂肪を効率よく燃やす体質を根本的に作り変え、長期的に定着させた可能性を示唆しています。
これらのことから、筋力トレーニングはシニアのエネルギー消費を増やし、代謝機能を改善する上で非常に有効であると結論づけられています。
5.終わりに
「ダイエットといえば筋トレ」という言葉の裏にある、本当の理由がこの記事をお読みいただいた事で明らかになったのではないでしょうか。
ダイエット中に筋トレが必要な理由は、筋肉を「つける」ことではなく、今ある筋肉をできるだけ「残す」ことにあります。
筋肉を維持することで基礎代謝の低下を防ぎ、リバウンドしにくい健康的なカラダを作ることができるのです。
食事制限だけで痩せるのは、筋肉と体脂肪を同時に減らしてしまうため、一時的な成功に過ぎません。
あなたの努力を無駄にしないためにも、これからは筋トレの本当の目的を意識して、理想のボディメイクを目指していきましょう。
当ジムではあなたの体を的確に評価し、あなたに合った運動を行っていくので確実に効果が感じられます。
だからこそ運動を継続する事が出来、正しく効果が出ているので確実に体が変わっていきます。
どうぞお気軽に無料カウンセリング・体験トレーニングへお越しください。
大和 弘明(職業:パーソナルトレーナー)
ガリガリから細マッチョとなり24/7ワークアウトへ入社し1年で独立。
カラダに対する自身の辛い経験をバネに、豊富な知識と競技者ならではの実践的な指導で
特にダイエットしたい女性や筋肉を付けたい男性を指導している。
賞歴:2016年第68回東京都パワーリフティング〔ノーギア〕選手権大会66kg級 優勝
資格:全米スポーツ医学協会認定パフォーマンス向上スペシャリスト(NASM-PES)
活動エリア:杉並区(西永福、浜田山、久我山)、新宿、恵比寿
【大和パーソナルジム拠点】
東京都杉並区大宮2-7-4
京王井の頭線 西永福駅から徒歩5分