運動が太りにくい体質をつくる理由・メカニズムを初心者へ解説

女性会員8割、永福町駅・西永福駅・浜田山駅から徒歩数分の位置にあるパーソナルトレーニング専門ジム、大和パーソナルジムを運営している大和と申します。

毎年このくらいの時期になると決まってダイエットを行っているあなたは、結局のところ、太りにくい体質ができていないがために、ダイエット→リバウンド→ダイエットという負のサイクルに陥ってしまっているのです。

「痩せること≠太りにくい体質になること」

結論、太りにくい体質を作るために必要なことは第一に運動(短期的では有酸素運動も無酸素運動もどちらも良いが、長期的では無酸素運動の方が生理学的に望ましい)です。

そんなことは最早、皆周知の事実かもしれませんが、運動が太りにくい体質を作る理由や詳しいメカニズムについては知らない方が殆どでしょう。

昨今、うたい文句に飛び付き、根拠(メカニズム)を理解していないがために思った効果を得られずに終わる人々が各ジャンルで見受けられます。

根拠を理解することは、頭の中の優先順位、必要性を上げることに繋がり、成果が出るまで行動を正しく継続するための力(継続力)となります。

私も数多くのお客様と接してきたので、その経験則から確信していますが、根拠を理解している人程、ダイエットやボディメイクの効果が顕著に大きく出ています。

今回の記事では、運動が太りにくい体質をつくる理由とそのメカニズムについて解説していきます。

目次

1.脂肪細胞の肥大・増殖=太る
2.脂肪細胞の肥大や増殖を根本的に防ぐためには
3.糖を筋肉細胞へと導く要素
①運動による筋エネルギー減少
②筋グリコーゲンの回復のためのインスリン感受性向上
③GLUT4の数の増加に伴う筋肉細胞の糖取り込み能力向上
4.終わりに

1.脂肪細胞の肥大・増殖=太る

「太る」という言葉の意味について、皆さんは正しく理解できていますでしょうか。

辞典で調べると「肉がついて大きくなること」となっており、基本的な考え方としては脂肪細胞が肥大・増殖することによって、体脂肪の体積が増加することを太る(肥満)と言います。

2.脂肪細胞の肥大や増殖を根本的に防ぐためには

糖や脂肪が脂肪細胞(脂肪を貯蔵する役割をする白色脂肪細胞)へ取り込まれないようにすることで体脂肪の増加を防ぐことができます。

詳しいメカニズムについて知りたい方は「脂肪合成・分解のメカニズムを初心者へ解説」をご覧ください。

脂肪は、中性脂肪の材料となりますが、脂肪単体だけでは中性脂肪(体脂肪)を合成(作る)することができません。

糖は、それ自体が中性脂肪の材料になり、尚且つ、脂肪を用いて中性脂肪を合成することができます。

更に、糖の摂取によって膵臓から分泌されるインスリンは、中性脂肪の合成自体を活性化させてしまいます。

脂肪細胞での働き
糖質 脂肪(脂質)
・中性脂肪の材料
・中性脂肪を合成するための鍵
・インスリンによる中性脂肪合成の活性化
・中性脂肪の材料

以上のことから、糖が脂肪細胞へ取り込まれる前に、別の細胞へ取り込まれるように導いてあげることができれば、根本的に体脂肪の増加を食い止めることができる訳なのです。

3.糖を筋肉細胞へと導く要素

①運動による筋エネルギー減少

筋肉の収縮を行うことで、優先的に糖を筋肉細胞へと導くことができます。

筋肉が収縮するためには、エネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)が必要となります。

ATPは糖や脂肪から作られます。

筋肉の収縮が行われた後は、細胞内のATPが減ることでエネルギー量が低下します。

これにより、細胞内のエネルギー量を監視する役割を担うAMPKという酵素が活性化すると、糖を細胞内に取り込む役割を担うGLUT4(グルコーストランスポーター4)が、細胞膜へ移動(トランスロケーション)します。

細胞膜へ移動したGLUT4の助けを受け、糖は細胞内へと取り込まれるのです。

この筋収縮→AMPK活性による糖の取り込み経路にインスリンは関与しません(インスリン非依存的)。

なお、インスリンが追加分泌されることで起こる糖の取り込み経路(インスリン依存的)もありますが、インスリンには中性脂肪の合成を活性化させる働きがあることから、「太りたくない」と考える人が活用すべき糖の取り込み経路は前者の方です。

筋収縮→AMPK活性による糖の吸収の流れを図で解説しています。

図では、「筋収縮→筋細胞内エネルギーの低下→糖の取り込み」を簡易的な漫画にしています。

②筋グリコーゲンの回復のためのインスリン感受性向上

体内に貯蔵されている糖(グリコーゲン)は、その3/4が筋肉に存在しており(70kg男の場合約1200kcal)、運動時の筋収縮という爆発的な活動のエネルギー源として利用されます。

筋肉のエネルギー源としては、糖の他に、食べたものから消化された脂肪や体内に貯蔵されていた中性脂肪が分解され、血中に放出された遊離脂肪酸(FFA)もありますが、より短時間で大きな力を発揮するような運動では糖の方が優先的に消費されます。

筋収縮のエネルギー源 供給元 発揮されるタイミング
糖質 筋肉、食べ物 大きな力の発揮時
遊離脂肪酸 中性脂肪、食べ物 持久的な力の発揮時

通常時

運動を行っていない状態で、食事から糖質を摂取した時に起こる体内の糖の吸収の流れを図で解説しています。

ポイントとしては、細胞外に漂う糖を筋肉細胞内に取り込める数が少ないことです。

筋肉細胞に取り込めなかった糖は脂肪細胞へと運ばれ、中性脂肪の材料となる訳です。

インスリン感受性向上時

運動を行った後は、筋肉は消費した糖(筋グリコーゲン)を回復させるために、その後もしばらくの間は糖を取り込み続けなければなりません。

そのため、インスリンに対する感度が良くなり、通常時よりも多くの糖を取り込めるようになります。

このことを、筋肉細胞のインスリン感受性の向上と表現します。

運動を行った後で、食事から糖質を摂取した時に起こる体内の糖の吸収の流れを図で解説しています。

ポイントとしては、細胞外に漂う糖を筋肉細胞内に取り込める数が通常時よりも多いことです。

③GLUT4の数の増加に伴う筋肉細胞の糖取り込み能力向上

運動を継続的に行っている人の筋肉細胞内には、筋肉細胞に糖を取り込む役割を担うGLUT4(グルコーストランスポーター4)の数自体が多いという特徴があります。

GLUT4の数は運動を繰り返すことで”積算”されていきますので、運動を継続する期間が長い程、筋肉細胞の糖の取り込み能力が向上していきま

このことが、運動を継続的に行っている人が、そうでない人と比べて圧倒的に太り難い最大の理由です。

筋肉への糖取り込み促進要素 経過時間 インスリン依存性
運動により筋エネルギー減少 運動中~運動後2、3時間 非依存的
筋肉のインスリン感受性向上 運動後2、3時間後~ 依存的
GLUT4の増加 運動後10数時間後~ 依存的

4.終わりに

筋肉の体積が小さい人よりは大きい人の方が、理論上は、筋肉での糖代謝が良くなりますが、例え筋肉の体積が小さい人であったとしても、”継続的に”運動を行うことで、筋肉細胞の糖の取り込み能力を向上させ、積算的に太り難い体質を作っていくことができるのです。

太り易さを遺伝や性別、年齢のせいにして、言い訳をしている人が多くいらっしゃいますが、先ずは人体にもともと備わっている機能を最大限に活用しようとしてみてはいかがでしょうか。

根拠を知ることができたのなら、後は行動するのみです。

参考資料

運動と骨格筋GLUT4 – J-Stage

厚生労働省e-ヘルスネット「筋グリコーゲン」

厚生労働省e-ヘルスネット「アデノシン三リン酸 / ATP」

はじめの一歩のイラスト生化学・分子生物学 牛土社

 

 

当ジムが目指すのは、ただ痩せるのではなく、美容・体力向上・機能改善といった健康増進が達成された状態へお客様を導くことです。

「いつまでも自分の足で歩きたい」「病院通いではなく楽しいことにお金を掛けたい」「いつまでも美しくありたい」「家族の健康を守りたい」と言うような、健康増進を強く望む方にとって、当ジムは最強のサポーターとなるはずです。

どうぞお気軽に無料カウンセリング・体験トレーニングへお越しください。

 

大和 弘明(職業:パーソナルトレーナー)

ガリガリから細マッチョとなり24/7ワークアウトへ入社し1年で独立。
カラダに対する自身の辛い経験をバネに、豊富な知識と競技者ならではの実践的な指導で
特にダイエットしたい女性や筋肉を付けたい男性を指導している。

賞歴:2016年第68回東京都パワーリフティング〔ノーギア〕選手権大会66kg級 優勝

資格:日本タイ古式マッサージ協会プロフェッショナルセラピスト

活動エリア:杉並区(西永福、浜田山、久我山)、新宿、恵比寿

【大和パーソナルジム拠点】
東京都杉並区大宮2-7-4
京王井の頭線 西永福駅から徒歩5分