【看護師必見】夜勤があってもダイエットを成功させる方法(食事編)

永福町駅・西永福駅・浜田山駅から徒歩数分の位置にあるパーソナルトレーニング専門ジム、大和パーソナルジムを運営している大和と申します。

看護師や医師、介護士、ホテルスタッフ、添乗員など、夜勤がある仕事をしている方の中には、なかなかダイエットがうまくいかずに悩んでいる方が多くいらっしゃると思います。

また、夜勤中に何を選んで食べたら太らず済むのかを知りたい方もいることでしょう。

今回は、“夜勤と日勤を繰り返す生活を送っている方(シフトワーカー)”に向けたダイエット法を食事に着目して解説していきます。

今年も夏はすぐそこまで来ています。

夜勤中の効果的なプロテインの飲み方など、具体的な対応策も解説してありますので、直ぐに実践して頂き、夜勤があってもダイエットを成功させましょう。

本記事をお読み頂いだ後に、「【看護師必見】夜勤があってもダイエットを成功させる方法(運動編)」の記事も合わせてお読み下さい。

目次

1.夜勤の人が太りやすい理由
2.夜勤の人がダイエットを成功させる方法
3.夜勤の時におすすめの食事
(1)出勤前(夕方)
(2)休憩中(夜中)
(3)夜勤明け(朝)
(4)夜勤明け(夕方)
4.夜勤中のプロテインの賢い飲み方
5.終わりに

1.夜勤の人が太りやすい理由

日勤と夜勤を不規則に繰り返すような生活を送っている方、いわゆるシフトワーカーが太りやすい理由は主に以下の3つです。

①体内時計の乱れによる過食

脳の視交叉上核と呼ばれる場所には、中枢となる時計遺伝子(タンパク質)があり、目から入ってくる光を受けて、地球の1日の周期に体内時計をリセットする役割を持っています。※1

視交叉上核だけでなく、ほぼ全ての細胞に時計遺伝子があり、これらは中枢の時計遺伝子からの情報伝達に加え、食事が刺激となって日々リセットされています。※2

例えば、体温は1日の中で午後3時頃が最大値となり(※3)、副腎皮質から分泌される通称ストレスホルモンのコルチゾールは午前6時前後に最大値となりますが(※1)、このような体温やホルモンなどの日内変動は、時計遺伝子の働きによるものです。

やむを得ないことですが、日勤と夜勤を切り替えるタイミングでは、光を浴びる時間(起床時間)や食事の時間が乱れることで、結果的に体内時計が乱れてしまいます。

体内時計の乱れに伴って、精神状態に関係するホルモンや自律神経が乱れ、食欲増進や過食に繋がっていると考えられます。

②太りやすいタイミングに食事をしてしまっている

カラダは仕事や運動によってエネルギーを消費している時は、体脂肪を貯め込みにくい状態となりますが(※4)、逆にエネルギーを消費していない時は、余剰エネルギーを脂肪細胞へ貯蔵するようになっています。

たとえ夜勤中の夜中であったとしても、カラダがエネルギーを消費していさえすれば太る心配はありません。

しかしながらシフトワーカーの殆どの方は、夜勤前は朝食を食べた後、夜勤に備えて日中は睡眠をとり、夜勤後は朝食を食べた後、夜勤の疲れをとるために夕方くらいまで睡眠をとり、夜に夕食を食べて就寝というスタイルで過ごされているのではないでしょうか。

ここで問題となるのが、上記の殆どの食事が太りやすいタイミングに該当しているということです。

通常なら朝食を食べた後は、仕事などの活動によりカラダがエネルギーを消費することで、朝食で摂取したエネルギーが使われますが、朝食後に寝てしまっては、朝食で摂取したエネルギーは使われない状態となってしまいます。

夜勤終了後~就寝までの間も、意識的に運動などで活動を行わない限り、カラダのエネルギーは「消費<摂取」の状態です。

夜勤前は夜勤に備えて睡眠をとったり、夜勤後は夜勤の疲れをとるために睡眠をとることは、日勤と夜勤を切り替えるためにはやむを得ないことなのですが、このシフトワーカー特有の生活スタイル自体が太りやすい原因であることは明確です。

③BMAL1が増える時間帯に食事をしてしまっている

BMAL1とは、ヒトの体内時計を制御している時計遺伝子のひとつです。

BMAL1の発現量の変化※3
14:00~16:00 少ない 脂肪合成しにくい
22:00~2:00 多い 脂肪合成しやすい

よく午後10:00~午前2:00の間は、脂肪合成を促進する働きがあるBMAL1という時計遺伝子(タンパク質)が増加するため、遅い時間帯の食事は太りやすいと言われますが(※3)、正しくは「BMAL1は脂質代謝に関係する時計遺伝子(タンパク質)であり、BMAL1の機能異常が起きるとカラダが脂質をうまく代謝出来ず、脂質異常症(旧 高脂血症)や脂肪肝などを引き起こす(マウスの実験より)」(※5、※6)ということです。

したがって、現時点で「ヒトが遅い時間に食事をするとBMAL1の働きによって太りやすくなる」と結論付けることは”出来ません”。

もしかすると近い将来研究が進み、BMAL1などの時計遺伝子のことが詳しくわかるようになれば「ヒトが遅い時間に食事をするとBMAL1の働きによって太りやすくなる」ということが正しいと判明する可能性はありますが、仮にそうなったとしても、シフトワーカーの方はBMAL1が増加する時間であっても食事をせざるを得ません。

夜遅い時間帯の食事が体脂肪の増加に繋がること自体は広く知られていますし、ホルモン、代謝、体温などの日内変動の影響により、太りやすい時間帯が存在するということ自体は間違いない事実です。

例えば、インスリン感受性(インスリンにカラダが正常に反応し、主に筋肉細胞で糖質や脂質の代謝が行えている状態)にも一日の中でリズムがあり、糖尿病ではない人の場合、朝食時の方が夕食時よりも血糖値の上昇が抑制されます。※7

インスリン感受性は、体脂肪の増減にとても大きな影響を与える要素であり、カラダのインスリン感受性が悪い状態での食事は体脂肪増加のリスクを上げます。

2.夜勤の人がダイエットを成功させる方法

夜勤などで、どうしても太りやすい時間帯に食事をしなければならない人がダイエットを成功させる方法として、これさえ守ればOKというポイントをご紹介します。

ダイエットの大前提は変わりません!

日勤、夜勤に関わらず、エネルギーバランスを「摂取カロリー<消費カロリー」の状態にすることで体脂肪は減少します。

極論、太りやすい時間帯であったとしても、エネルギーバランスの収支が±ゼロとなってさえいれば問題はないのです。

例えば、体重50kgの女性がウェイトトレーニング(6.0メッツ)を60分間行った場合、300kcalを消費することが出来ます。

計算式:6メッツ×1時間×50kg=300kcal

ごはん一善160g・・・269kcal
食パン二枚・・・316kcal
パスタ乾麺・・・340kcal

摂取カロリーの設定方法につきましては「ダイエットの目標設定(体重・体脂肪率・カロリー)を解説」をご覧下さい。

①絶食(食べないこと)はやってはいけない!⇒約2~3時間おきに細かく食べる

約2~3時間おきに細かく食べることで、血糖値の上下の波が緩やかになり、体脂肪が増えるリスクを下げることが出来ます。

食べ物の例は下で説明しています。

「夜勤中は太るから食べるのを我慢する!」「夜勤中は糖質は一切摂らないでいよう!」なんてことを考えてしまう方が結構いらっしゃいますが、それはむしろ逆効果となる危険性の方が高いということを覚えておきましょう。

血糖値の上昇を感知すると、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが膵臓より分泌されますが、インスリンには体脂肪の合成を促進させる働きもあるため、血糖値が高い状態が続くと体脂肪が増加しやすい状態も続いてしまいます。※8

食事によって栄養(特に糖質)が体内に入ってこず、血糖値が低い状態が続いてしまうと、次に食事を行った際に血糖値の高い状態が”通常よりも長く”続いてしまいます。

朝食を抜いてしまうとその後の食事による血糖値上昇が、朝食をきちんと食べた場合と比べて高くなってしまうということ(※2、※9)や、夕食を18:00と21:00の2回に分けることで血糖値上昇を抑えることが出来るということ(※10)が研究によって報告されています。

また、食事の間隔を空け過ぎることによって起こる空腹感によって、食べ過ぎてしまうことを防ぐためにも、食事の間隔は空け過ぎないことが賢明です。

血糖値は、通常であれば食前の値は約70~100mg/dlの範囲(※11)で、食後約2時間以内には正常値に戻ります。※12

したがって、仕事でカラダを動かす方の場合は約2時間おきに、デスクワークや立ち仕事などであまりカラダを動かさない方の場合は約3時間おきに細かく栄養摂取を行うと良いでしょう。

②”血糖値を上げ過ぎない”食事に徹する!⇒もはや当たり前のファイバーファースト

必ず食物繊維が豊富な野菜・キノコ・海藻などを先に食べるか、食物繊維を豊富に含む炭水化物(根野菜)を優先的に選びましょう。

食物繊維は人の消化酵素が効かないため、体内で消化することが出来ません。※13

したがって、食物繊維を多く含む食べ物(玄米、さつまいも、蕎麦)は胃腸に留まる時間が長くなり、血糖値の上昇が緩やかになります。※14

プロテインなどタンパク質を多く含む食品を摂取することでも、血糖値の上昇を緩やかにすることが出来ます。※14

食物繊維やタンパク質を、糖質と同時又は事前に摂取することによって、血糖値の上昇が緩やかになることでインスリンの分泌量が減り、結果的に体脂肪の増加を防ぐ効果が期待出来ます。

③筋トレを最低週2回実施する!⇒常に代謝を高めて更に筋細胞のインスリン感受性を高めておく

ウェイトトレーニングなどの運動を最低週2回以上実施しましょう。

糖質や脂質が脂肪細胞ではなく、筋肉細胞へ多く運び込まれる状態を事前につくっておくことが出来れば、睡眠前、夜勤中、遅い時間帯などのタイミングで食事をしたとしても太るリスクを下げられる訳です。

筋肉細胞へ糖質や脂質が運び込まれやすい状態をつくっておくためには、継続的に運動を行っておく必要があります。

継続的に運動を行っていると、筋肉細胞へ糖質や脂質を運び込む働きをするタンパク質の数を増やしたり、その働きを活性化させることが出来ます。※15、※16

脂肪細胞へ糖質や脂質が運び込まれるのを横取りすることが出来れば、体脂肪を増やさずに済みます。

運動がもたらす体脂肪増加を防ぐ効果と、その方法について詳しく知りたい方は、「【看護師必見】夜勤があってもダイエットを成功させる方法(運動編)」をお読み下さい。

3.夜勤の時におすすめの食事

夜勤の前・中・後におすすめの食事メニューの例をご紹介します。

(1)出勤前(夕方)

・玄米ごはん又は白米

・味噌汁

・魚

・野菜

・豆

出勤前の夕食は、食べた後に仕事によってエネルギーが消費されるため、体脂肪が増えるリスクが低いタイミングです。

「玄米ごはん+味噌汁」を基本として、魚や鶏肉などから適度に脂質(10~15g)とタンパク質(最低20g)を摂取し、プラスでサラダなどから豊富に食物繊維(10g程度)を摂取するのがおすすめです。

糖質、脂質、タンパク質、食物繊維など、複数の栄養素を一緒に摂取することで、消化に掛かる時間を長くすることが出来、腹持ちを良くすることが出来ます。

(2)休憩中(夜中)

・ホエイプロテイン

・プロテインバー

・玄米おにぎり

・赤飯おにぎり

・冷めた白米おにぎり(中の具は鮭や昆布がおすすめ)

・干し芋

・和菓子(糖質が多い食品は単体で食べず、プロテインや食物繊維パウダーと一緒に食べること)

夜勤の休憩中の食事(軽食)は、仕事のエネルギー補給として必要です。

血糖値を急上昇させず、腹持ちも良い”冷めた”おにぎりや干し芋、プロテインがおすすめです。

(3)夜勤明け(朝)

・玄米ごはん又は白米(少なめ)

・味噌汁

・納豆

・卵

・豆腐

・オクラ

夜勤明けの朝食は、食べた後は睡眠をとるため消費エネルギーが少なく、太るリスクが割と高いタイミングですので、活動のためのエネルギー源である糖質や脂質はなるべく控えめにするのがおすすめです。

(4)夜勤明け(夕方)

・ホエイプロテイン

・赤飯おにぎり

・バナナ

・具沢山味噌汁

夜勤明けの夕食は、食べる前と食べた後の消費エネルギーが少ないため、”最も太るリスクが高い”タイミングです。

ダイエットを意識する場合はプロテインを飲むだけでも良いくらいですが、物足りない場合は血糖値の上昇が緩やかになる食品を選ぶようにし、脂質は極力控えめ(10g以内)にするのがおすすめです。

4.夜勤中のプロテインの賢い飲み方

糖質や脂質と比べると作用は弱いですが、タンパク質にはインクレチン(腸から分泌される消化管ホルモン)の一種であるGLP-1を分泌させる作用があります。※17

GLP-1は中枢神経系に作用して食欲を抑制したり、膵臓β細胞に作用してインスリン分泌を促進させたりします。

したがって、プロテインを飲むことによっても、空腹感を抑制する効果が期待出来ます。

詳しい理由はここでは割愛しますが、プロテインの種類としては男女問わずホエイプロテインがおすすめです。

食事と食事の間や、お腹が空きそうだなと感じた時にホエイプロテインを飲みましょう。

看護師の夜勤の場合のプロテイン活用例

14時 夜勤前の食事

17時 プロテインを飲む

20時 夜勤中の食事

24時 プロテインを飲む

3時 夜勤中の軽食

10時 夜勤明けの朝食

おすすめプロテインBEST3

・チョコレート味のスタンダード(無難なプロテイン)↓

ザバス(SAVAS) アドバンストホエイプロテイン100 ココア味 900g 明治(Amazonへ)

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5.終わりに

夜勤があることは、ダイエットにおいて不利であることは間違いありませんが、カラダの仕組みを理解して気をつけさえすれば、問題なく減量していくことが可能です。

本記事でご紹介した内容は、決して難しいことではありません。

今すぐに実践してわくわくするカラダを作り上げていきましょう。

参考文献

※1 生体リズム研究の現在 – J-Stage
※2 2.時間栄養学を応用した糖尿病の食事療法 – J-Stage
※3 太らない時間に食べる!体内時計ダイエット 著者 榛葉繁紀
※4 身体運動と食をつなぐ生体内エネルギー調節の分子機構 – J-Stage
※5 概日リズム異常と代謝性疾患 – J-Stage
※6 生体リズム障害と肥満症 – J-Stage
※7 生活習慣病の予防や改善を目指した時間栄養学 – J-Stage
※8 厚生労働省e-ヘルスネット「インスリン」
※9 朝食欠食が昼食後の 血糖値変動に及ぼす影響 著者 秦艶萍,横山久美代,成瀬克子 他
※10 食べ方と食べる時間が血糖変動に影響を与える – J-Stage
※11 厚生労働省e-ヘルスネット「血糖値」
※12 厚生労働省e-ヘルスネット「食後高血糖」
※13 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」
※14 食事の摂取順序による血糖値への影響 – 長崎女子短期大学
※15 運動と骨格筋GLUT4 – J-Stage
※16 エネルギー代謝とトランスポーター – J-Stage
※17 3.栄養素に対する腸管内分泌細胞からのインクレチン分泌 – J-Stage

 

 

当ジムでは、記事に書き切れなかった内容も踏まえながら、お客様の骨格や姿勢、食生活などに合わせた細やかな指導を行っています。どうぞお気軽に体験トレーニング・カウンセリングにお越しください。

 

大和 弘明(職業:パーソナルトレーナー)

ガリガリから細マッチョとなり24/7ワークアウトへ入社し独立。
カラダに対する自身の辛い経験をバネに、豊富な知識と競技者ならではの実践的な指導で
特にダイエットしたい女性や筋肉を付けたい男性を指導している。

賞歴:2016年第68回東京都パワーリフティング〔ノーギア〕選手権大会66kg級 優勝

資格:日本タイ古式マッサージ協会プロフェッショナルセラピスト

活動エリア:杉並区(西永福、浜田山、久我山)、新宿、恵比寿

【大和パーソナルジム拠点】
東京都杉並区大宮2-7-4
京王井の頭線 西永福駅から徒歩5分